大正時代のヤナセの社屋をご覧になったことはありますか?
1916年に博多出張所を呉服町に開設されましたが、当時のモダンな社屋が福岡市博多区にある「ふるさと館」に模型で再現されています。同支店は1937年天神(大丸左隣)に移転した際に福岡支店に改称されますが、戦災で事務所と工場の一部を焼失。以下は現在の平尾への移転を決めた時の梁瀬次郎社長の思い出話です。
当時福岡へ出張した私が夜、岩永支店長と同道し、自動車で約4時間、町中を走り回って、その頃はまだ畑の真中であった平尾の土地を選定したことを覚えている。昭和32年1月福岡支店ビルを新築し現在に至っているが、麦畑の真中だったその場所も今では非常に交通が混雑し、むしろ便利すぎてかえって不便を生じるような状態である。
(出典:梁瀬次郎著『轍』第3巻より)