ヤナセが石油精製事業に係わっていたことをご存知ですか?
昭和8年の東洋商工(株)設立に際しヤナセは共同出資します。東洋商工(株)は鶴見に製油所を設置し精油事業を開始しますが、当時は不況の真っ只中、梁瀬長太郎は、景気回復を待つことができず、共同出資者である野口栄三郎氏からの懇請により全ての株式を譲渡してしまいます。後に、東洋商工(株)は興亜石油(株)と社名を改め麻里製油所の設置、カルテックス社との提携などを経て発展を遂げ、現在のJX日鉱日エネルギー(株)の母体の一つとなるのです。
大正時代が過ぎて昭和の初期には、外国の原油を国内で精製する製油所の設置が必要となってきたので、昭和8年6月7日に、梁瀬商事(株)では今日の興亜石油(株)会長野口栄三郎氏、薄井久男氏と共同出資で資本金10万円の東洋商工(株)を創立し、鶴見海岸に製油所を設置し、原油を輸入して精油の仕事を始めた。
(出典:梁瀬次郎著『轍』第1巻より)