ヤナセが昔バスやタクシー事業を全国展開していたことをご存知ですか?
直営していたバス事業だけでも、相武自動車(現在の神奈川中央交通)、隅田乗合自動車(現在の国際興業バス)、和歌山の白浜温泉自動車、九州の小浜自動車等、タクシーは神戸市街自動車等ですが、梁瀬長太郎氏が創業・共同経営していた路線は全国に及んでいました。後に長太郎氏が全て売却してしまったことを、故梁瀬名誉会長は少し残念に感じていたようです。
バスラインが一つでも残っていてくれたら私も少しは幸せな人生を歩めたのに、と父に対する不満と残念さが強くあった。当時のバスは運転手と車掌さんが毎日少しずつ売り上げをはねる。父の潔癖症がこれを許せなかったらしい。 会社が50円儲ければ2人が5円ずつぴんはねしても、全体的に見たらこの方が良いのではないですか、と後年父に聞いた時、返すのは一言「ばか者、だからお前は出来損ないだ」と返ってきた。
(出典:梁瀬次郎著『じゃんけんぽん』より)