ヤナセが終戦後に電気自動車を販売していたことは以前ご紹介しましたが、既に大正時代に電気自動車を取り扱っていたことをご存じですか?
大正6年、電気自動車ミルバーン号を取扱いを開始、当時芝浦工場前に有った雅叙園の細川力蔵氏に買って頂いたこともあったものの、インフラが未整備だったこと、蓄電池が非常に重く寿命が短いことなどから販売には相当苦労したようです。
これには東京とか国府津あるいは小田原、箱根などという様に東海道筋にチャージング・ステーションを設けて、この範囲を走っているものとしたならば、バスとか乗用車の定期路線には実用向きと思われるが、普通ではこれは難しいことがわかり、ことに、それまでに設備することはなかなか困難であるから、一般普及に程遠い感がした。
(出典:『日本自動車史と梁瀬長太郎』より)