大正時代のヤナセの社員の服装が、どのようなものだったかご存じですか?
以下の文章は、1916年、梁瀬商会設立の翌年に入社、取締役管理部長や高浜工場長などを歴任し、創立70周年の際には、勤続70年表彰を受けたヤナセの生き字引ともいえる故梁瀬喜作社友による当時の思い出話です。
当時世間一般に社員と職工の区別が整然とありました。職工(職人ともいう)は紺の印半纏に麻裏草履、豆絞りの手拭いで鉢巻をして若々しい元気な姿。
青年社員は黒または紺サージの詰襟服に丸坊主で通勤には自転車か電車または徒歩で、ホワイトカラーの青年でない限り髪を分ける者は少なく、実に質素倹約な時代でありました。
(出典:梁瀬喜作著『(株)ヤナセ本社の歴史』より)