芝浦本社4階の庭園内に安置されている稲荷神社の由来をご存じですか?
ヤナセの芝浦工場が稼働したのは1920年1月ですが、同年3月に戦後恐慌が発生、株式市場は大暴落し、当社もリストラを余儀なくされます。この不景気を大変心配した会長夫人の発案にもとづき初代大阪支店長の梅村四郎が、伏見からお稲荷さんのご神体を奉戴し芝浦に奉迎。1921年4月25日に稲荷神社を建立し、毎年5月25日を稲荷神社の祭日としました。当初は旧社屋の石油スタンド裏手に設置されました。以下は当時芝浦工場の責任者だった故梁瀬喜作社友の思い出話です。
当時、芝浦界隈には花柳界がありましたが、そこの芸者衆が皆お稲荷さんにお参りするなど、このお稲荷さんは芝浦界隈全体のものになりました。お稲荷祭りの日には会社は休みで、相撲をとったり、赤飯を沢山作って皆に配ったりして、お稲荷さんを祭っていました。
(出典:社内報『和苑』1984年7月号より)