ヤナセが、天然ガス自動車の開発をしていたことをご存知ですか?
戦時中、戦略物資であるガソリンの逼迫に対応するため、ヤナセは天然ガス、松根油、木炭などの代用燃料の開発を行っていました。特に収益面で貢献したのが、天然ガス自動車でした。
代用燃料を担当していた新入社員時代の故梁瀬次郎名誉会長は、当然賞与に反映するものと期待に胸を膨らませていました。
入社したばかりの若い私が会社の利益の80%をかせいだのだから、賞与に多少の色がつけられるだろうとウヌボレていた私は、日本橋の本社のトイレに駆け込んで貰った賞与の袋を開けてみた。1銭も増えていなかったのを知ったときの失望感は大きく、若い私は悔しさにまかせて、その晩のうちに使い果たしてしまった。
(出典:梁瀬次郎著『私の70年』より)