故梁瀬名誉会長が昭和天皇にキャデラックをお納めしたことをご存知ですか?
終戦後、昭和天皇が全国巡幸中に激しい雨の中で御料車に雨がもり、陛下の洋服がずぶぬれになっている写真を目にした故名誉会長は、GHQの担当官に「天皇陛下が車の中でずぶぬれになられる姿を日本国民に示すより、むしろアメリカの車にお乗せする方が日本国民には必ず良い影響を与えるであろう。」 と説得し外貨割当を特別に取得することに成功、1950年モデルのキャデラックを宮内省に納めました。以下は故名誉会長の当時の思い出です。
陛下は我々の命の恩人である、8月15日の終戦を決断して下さったおかげで、我々の命があるのだ、という気持ちが強くあった。従来は天皇陛下の御料車は溜色(ためいろ)という特別な色に決められていたが、私は新しく気分転換をしていただくためにもと、チャコールグレーのキャデラックをお納めし、宮内省にお届け申し上げたのも、つい昨日のことのような気がする。
(出典:『轍』第2巻より)