ヤナセとカークーラーの製造(1955年~?)

ヤナセがカークーラー製造のパイオニアだったことをご存知ですか?

ヤナセが自動車用冷房器の研究に着手したのは1954年、翌1955年に早くもゼネコンと銘打って、日本製カークーラーのトップを切って市販されました。初年度はわずか60台だった販売台数も、1961年には約1,000台まで急成長し、芝浦工場では生産が販売に追いつかない情況だったようです。

開発を担当したのは、東大工学部出身で、ヤナセ入社前は石川島(現IHI)で海軍の戦闘機の製造を担当していた故津田茂社友でした。

ヤナセでカークーラーの研究にとりかかったのが7年前、即ち昭和29年で、1年間じっくり研究して翌30年に“ゼネコン”General air conditionedを略して、(GENECON)と銘打って、日本製カークーラーのトップを切って市販されたのです。当時はまだ需要層も薄く、贅沢品とされあまり芳しい成績を挙げ得ませんでしたが、時代の先端を行くものとして大変注目を集めました。

(出典:社内報『和苑』1961年4月号より)