ヤナセが、石油ストーブが普及するきっかけを作ったことをご存知ですか?
石油ストーブが我が国に姿を見せたのは昭和30年前後ですが、当時の国産の石油ストーブは大変取扱いがむずかしく、臭いが強く、安全性も低く実用にはほど遠いものでした。そこで、ヤナセは昭和32年に英国のアラジン社製の「ブルーフレーム」というオイルヒーターを輸入販売したところ、大ヒット商品となり、我が国に石油ストーブが広く普及することになったのです。
ブルーフレームは、6畳から10畳くらいの部屋が中心の日本家屋の暖房機としては最適であり、従来の「石油ストーブは臭くて取扱いがやっかいなもの」というイメージを一変させることになった。日本の一般住宅の暖房の中心が石油ストーブとなるキッカケになったといってよいほど、画期的なものであった。 ヤナセは暖房の面でもパイオニア的な役割を果たしたと私は自負している。
(出典:梁瀬次郎著『轍』第3巻より)