ヤナセが日中国交正常化の歴史的瞬間のテレビ生中継に一役買っていたことをご存じですか?テレビ生中継の際に使用された宇宙中継用可搬型地球局シェルター3台を日本電気(株)より受注したヤナセの製造事業部は、通常は設計から製作まで6ヵ月を要するところ、昼夜兼行の突貫作業によりわずか1ヵ月で完成させました。この国産シェルター(地球局)の活躍により、1972年9月25日、周恩来首相の世紀の握手が茶の間に生々しく映し出されることになりました。
シェルター内部にはカラーテレビ1回線、電話24回線を伝送するための送受信装置がセットされており、ミュンヘンオリンピックの衛生中継に使われた太平洋上空に浮かぶ静止衛星インテルサット4号を経由し、国際電々茨城地球国で受信、北京と日本を電話で結んだわけである。
(出典:社内報『和苑』1972年10月号より)