梁瀬名誉会長が大切にしていた「温故知新」の額と鍋の由来をご存じですか?
1986年6月、戦前戦中に苦楽を共にした高浜・芝浦両工場の出身者約100人によるOB会が開催されました。「温故知新」の額と鍋を贈呈された名誉会長は、輸入車販売が禁止され車体製作と代用燃料車等の仕事で延命した戦争中、鍋やフライパンで糊口を凌いだ戦争直後のことなど先人の苦労に思いを馳せます。
この席上、私は「温故知新」と書かれた額を贈られた。私に、「昔の人を、昔のことを忘れてはいけませんよ」と忠告されたのであろう。福沢善吉君から、大切に保存していてくれた、高浜工場製の第一号の鍋を、記念として贈呈された。目頭が熱くなる思いで、この鍋を受け取った。会社の今日の繁栄を古き友は、心から喜び祝ってくれた。今日の会社があるのは、この古き友の大変な努力のお蔭であることを、今日の若い人々は忘れてはならない。
(出典:社内報『和苑』1986年7月号)