Mercedes-AMG CLA Impression

美しいハイパフォーマンスモデル。
CLA 35とCLA 45、それぞれの魅力。

スタイリッシュな4ドアクーペのメルセデス・ベンツCLAクーペには、35と45という2種類のハイパフォーマンスなAMGモデルがラインアップされています。注目のMercedes-AMG CLA 35 4MATICとMercedes-AMG CLA 45 S 4MATIC+を、ヤナセスタッフが乗り比べてみました。

  • 2020年12月18日
【イメージ】Mercedes-AMG CLA Impression
【イメージ】Mercedes-AMG CLA Impression
Mercedes-AMG CLA
CLA 35/CLA 45

究極のハイパフォーマンスを
追求した
コンパクト。

Mercedes-AMGは通常のメルセデスとは別ブランドであり、「究極のハイパフォーマンスを追求したモデル」として位置付けられています。1967年、AMGはレーシングカーのエンジニアリング会社としてスタート。ドイツ・ツーリングカー選手権(DTM)をはじめ、数々のレースで勝利を挙げ、F1でもドライバーとコンストラクターの両タイトルを2014年以来、7年連続で獲得するなど、数えきれないほどの成功と伝説を残しています。これまでAMGはレースで培った最新テクノロジーを駆使して、多くのハイパフォーマンスモデルをリリースしてきました。それはコンパクトモデルの分野でも同様で、現在コンパクトメルセデスにはBクラスを除くすべてのモデルに35が用意され、Aクラス、CLA、CLAシューティングブレーク、GLAには45まで用意されています。今回はその中からMercedes-AMG、CLA 35 4MATICとCLA 45 S 4MATIC+を比較試乗してみました。

【イメージ】Mercedes-AMG CLA Impression
【イメージ】Mercedes-AMG CLA Impression
Mercedes-AMG CLA
CLA 35/CLA 45

CLA 35とCLA 45は
どこが違うのか?

外観におけるCLA 35とCLA 45の主な違いは、フロントグリルとホイール、マフラーとなっています。スペックについては、エンジンはどちらも2.0リッター直列4気筒直噴ターボですが、CLA 35は最高出力306PS/最大トルク40.8kgm、CLA 45は最高出力421PS/最大トルク51.0kgmを発揮しています。ミッションはCLA 35が7速ATであるのに対し、CLA 45は8速ATで、駆動方式はどちらも四輪駆動。車両重量についてはCLA 35が1,600kgであるのに対し、CLA 45は1,680kgと80kg重くなっています。そこで、パワーウェイトレシオを計算してみました。パワーウェイトレシオはクルマの性能の指標のひとつで、車両重量を馬力で割ったもの。1馬力あたりどれくらいの重量負担があるのかを表しており、一般的に数値が小さければ小さいほど加速性能に優れると言われています。試乗車はどちらもオプションのパノラミックスライディングルーフが装着されているので、CLA 35の車両重量は1,630kg、CLA 45は1,710kgで、それぞれを最高出力で割るとCLA 35が「5.3」、CLA 45は「4.06」。重くてもCLA 45の方が加速性能は優れていることになります。

【イメージ】Mercedes-AMG CLA Impression
Mercedes-AMG CLA
CLA 35

スムーズな走りが楽しめるCLA 35。

最初にCLA 35に乗り込み、東京・芝浦にあるヤナセ東京支店を出発し、首都高速に入りました。今回の目的地は、箱根スカイラインです。加速は非常に伸びやかで、どの速度域からでもスムーズに回るエンジンは、さすがAMGです。この2.0リッター直列4気筒直噴ターボエンジンにはAMGの最新テクノロジーが導入されており、最高出力306PS/最大トルク40.8kgmまでチューンされています。ミッションは素早いシフトチェンジを実現する7速ATが組み合わされ、アクセルレスポンスは俊敏。また、走行状況に応じて前後輪に最適なトルクを配分するAMG独自の四輪駆動システムが走行姿勢を常に安定させます。高速道路でのレーンチェンジもスムーズに行うことができ、高速を降りてワインディングロードの連続するタイトなコーナーに入っても、バランスを崩すことなく滑らかな動きでクリアします。

【イメージ】Mercedes-AMG CLA Impression
Mercedes-AMG CLA
CLA 45

「オン・ザ・レール」を
体感できるCLA 45。

続いてCLA 45に乗ってみました。CLA 35とはどのように違うのでしょうか。エンジンは同じ2.0リッター直列4気筒ターボですが、こちらはマイスターがひとりで組み上げたもので、それを証明するプレートも付いています。最高出力は421PS、量産4気筒ターボエンジンとして世界ナンバー1を標榜します。このスペックから荒々しい強烈な加速を想像しましたが、実際にアクセルを踏んでみると、予想に反してスムーズで、洗練された伸びやかさを感じさせる加速フィーリングでした。湧き上がるシームレスな加速はCLA 35とは異なる感覚で、パワーウェイトレシオとCLA 35より一段多い8速ATの差を体感できます。しかし、それよりもCLA 35との違いを感じられたのはコーナーでした。CLA 45に搭載されるAMGの四輪駆動システム「AMG 4MATIC+」は、前後輪の最適なトルクを配分するだけでなく、後輪左右のトルクもコントロールするので、旋回性能が非常に高くなっています。吸い付くように路面をしっかり掴んで、素早く立ち上がっていきます。イメージ通りのラインで、まさに「オン・ザ・レール」。Rのキツいコーナーでも安心してアクセルを踏み続けられる余裕を感じました。

  • 2019年11月現在、ダイムラー・ベンツ調べ。
【イメージ】Mercedes-AMG CLA Impression
Mercedes-AMG CLA
CLA 35/CLA 45

実用性ではCLA 35、
ドライビングではCLA 45。

CLA 35とCLA 45。実際にドライビングして感じられたのはそれぞれのキャラクターの違いです。ノーマルモデルとは異なるエンジン音や伸びやかな加速など、公道での気持ちの良いドライビングにフォーカスしたCLA 35は、AMGならではの非日常的なドライビングパフォーマンスを満喫できるだけではなく、快適さや実用性も兼ね備えています。一方、AMGの最新レーシングテクノロジーが余すことなく凝縮されたCLA 45は、高速道路でもワインディングロードでも常に本格的なスポーツカーです。4ドアクーペでありながらイメージ通りにクルマを操る楽しみを興奮とともに感じさせてくれました。
似て非なるキャラクターのこの2台。様々なシーンでそれぞれの異なる良さを実感することができました。さらにMercedes-AMG CLA 35、CLA 45には今回ご紹介したクーペ以外に、ボディタイプの異なるシューティングブレークという選択肢もあり、選ぶ楽しみも広がります。