車を走らせながら見る景色はいつもと違う姿に感じられる

磯村勇斗 meets YANASE Vol.2

前回のインタビューで、「好きな車を持つというロマンが好き」と語ってくれた俳優の磯村勇斗さん。実際に自身で車を持つようになって、釣りやゴルフといったアウトドアスポーツがより身近になり、ライフスタイルも大きく変わったと言います。束の間の休息を使った遠出の車中、そして出かけた先で、どんな時間を過ごしているのでしょうか。

  • 2024年05月10日
  • Photos:Masaki Miyashita <hannah>
  • Video:Yusuke Kaji
  • Hair&Makeup:Tomokatsu Sato
  • Styling:Tom Kasai
  • Direction&Text:Dai Iwaya
Hayato Isomura meets YANASE

車は“自分だけの空間”を作ってくれる

映画、ドラマ、CM…。あらゆるジャンルにおける出演作が続々と公開され、年末に向けての公開待機作も控える磯村勇斗さん。本格デビューを果たした2014年から10年が経った今、俳優として確固たる地位を確立しようとしている。必然的に日常は多忙を極め、リラックスする時間を確保することも難しい。

「自分だけの空間でゆっくり過ごせるという意味でも、車という存在は僕にとってすごく貴重なものになっています。父の影響で幼い頃から“クルマのある生活”を身近に感じていたからなのか、そもそも運転をすること自体がとても好き。車を走らせていると、いつも見ているはずの景色がまったく別のものとして目に飛び込んでくる感覚も魅力的ですよね」

そんな貴重なプライベートな時間には、どんなBGMが流れているのだろう。

「特定のジャンルの音楽を聴くタイプではなくて、気分によって洋楽のヒットチャートを流したり、邦楽を流したり…。釣りやゴルフに行った帰りに夕陽がキレイだなと思ったら“夕陽に合うプレイリスト”を探してかけてみたりもします」

この日用意したGLE 450 d 4MATIC Coupé Sportsの運転席に座ってみて、「ラグジュアリーなレザーを使っていて、すごく適度な硬さのシートだと感じた」という磯村さん。「暖かくなってきたので釣りやゴルフに出かけたいなと思うのですが、このシートだったら長時間運転をしても疲れにくそうだな、と。サンルーフもあって開放感がすごいので、きっと気持ちのいいドライブができるでしょうね」

車も釣りも、ロマンを感じられるから好き

仕事の合間を縫って計画をしても、アウトドアスポーツは自然が相手。どれだけ行きたいと願っても、叶わない日もある。

「釣りに行く約束をして車で船着場まで出かけても、陸は晴れているのに沖の風雨が強くて出航できなかったりするんです。だから本当にチャンスがあって、天気とのタイミングも合った時にしかできていません。海に出られてさえしまえば本当に楽しいんですけどね!」

都心を離れ、陸地からも離れて大海原のなかで釣竿を垂らす。時には数時間待っても獲物は現れず、1日中あたりがない日だってある。

「僕は待つのが苦じゃないんです。見えない海の底にはなにがいるんだろう? って考えながら1本の釣竿で宝探しをしている感覚。自分の腕次第で釣れたり釣れなかったり…。魚になった気持ちで竿を動かしながら待つ時間はまったく退屈しないですね。前回は“車を持つというロマンが好き”と言ったけれど、釣りも同じ。きっとロマンが感じられるものが好きなんだと思います(笑)」

上達するためにはインターネット上にアップされている解説動画で予習をして、近くにいる経験者を誘って出かけ実践を踏みながら教えを請う。趣味でも仕事でも、真摯な姿勢は変わらない。

家族のような仲間と完成させた主演映画への想い

公開が決まっている主演映画『若き見知らぬ者たち』は、同い年の内山拓也監督がメガホンを取り、共演した俳優にも同世代が多い。その経験を「なかなかない機会」だったと磯村さんは語る。

「同世代の仲間とひとつの作品を作り上げた時間というのは、とても大切なものとして自分のなかに残っています。とても苦しい作品でもあるので、その瞬間瞬間をみんなで共有しながら完成させたということがとても尊く感じるというか…。撮影が終わってからも定期的に集まるくらい。表現が難しいのですが、みんなが兄弟のようで、家族のようでもあって。たくさんの方に観ていただきたい、とても大事な作品になっているのでぜひ劇場に足を運んでいただきたいなと思っています」

ベスト¥52,800 コート¥57,200 モックネックTシャツ¥41,800(すべてランバン コレクション/ランバンコレクション表参道店) パンツ¥37,400(チノ/アントリム) スニーカー¥19,800(オニツカタイガー×チノ/アントリム)

磯村勇斗

1992年、静岡県出身。中学生の頃に映画を自主制作したことがきっかけで、芝居の道を志す。大学入学を機に上京し、小劇場を中心に俳優としての活動を開始。2014年にTVドラマで本格デビュー。第47回日本アカデミー賞では、『月』で最優秀助演男優賞を受賞。公開待機作に、連続ドラマW-30『演じ屋 Re:act』(WOWOW)、映画『若き見知らぬ者たち』、映画『八犬伝』がある。

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