Time~レンタカーがかなえる時~ #001
はじめてのポルシェ・タイカンを自由気ままに、納得いくまで。
- 2024年8月9日

ポルシェのEV、タイカン。4ドア。 ポルシェといっても、実用性はありそうだな。
次回買う時は、EVになるだろうし、ポルシェもありかな……。
ある日、ポルシェ・タイカンがレンタカーにあることを知った。
平日の箱根ならクルマもそんなに多くないだろうし、乗ってみるか。
妻との箱根への旅行の話は、とんとん拍子に決まった。
「ちょっと乗りたいクルマがあるから、レンタカーにする。ポルシェのEV」
「えっ、ポルシェにEVがあるの? へぇー、知らなかった」




旅行当日、スタッフから基本的な操作のレクチャーを受け、ナビゲーションに第一の目的地「アネスト岩田 ターンパイク箱根」の料金所を登録し、待望のタイカンの旅がスタートした。
エンジンは、かけるというよりも、パソコンのスイッチを入れる感覚だった。
ステアリングの真ん中に、存在感のあるポルシェのロゴ。
メーター類のディスプレイやセンターコンソールのタッチパネル、車内の広さやシートの作りなど、重厚感があり落ち着いた印象を受ける。
ラグジュアリーサルーンといった感じだ。

走行中の車内はエンジン音がないため静かだが、タイヤのノイズ、モーターの作動音などが織りなすタイカン独特のサウンドに、高揚感はあれど違和感は全くなく心地いい。
0~100Km/hが3秒というスペックだけあって、アクセルの開閉にレスポンス良く反応し、加速が驚くほどいい。
運転好き・ポルシェ好きにはたまらないだろう。
妻も環境に配慮し空気を汚さないこと、家で充電できることをはじめ、このポルシェ・タイカンでかなえられることを、いたく気に入ったらしい。
「このクルマいいわね。途中で運転させてね!」と妻。
大磯で国道1号から西湘バイパスに入った。
天気がよければ左手に海がきれいに広がって見えるはずだったが、生憎の天気で、青く光る海とはいかなかった。




小田原を通過後、いくつかの分岐を抜けてターンパイク方面へ。
いよいよ、ワインディングのアネスト岩田ターンパイク箱根に到着だ。
「この有料道路で上まで行って、芦ノ湖方面に降りていくから。ここは、バイクやクルマの運転好きが走りにくる道で有名なんだ」
「そうなのね。だからって、飛ばさないでね!」
「一般道は道幅が狭かったり、トラックやバスとのすれ違いが合ったりで運転に気を遣うところがあるけど、ここは道幅も広めだし、途中で運転してみるか?」
「うん。ぜひ! 安全運転で走るから」

料金所を抜け、アネスト岩田ターンパイク箱根の走りが始まった。
登りもワインディングも十分すぎるパワーで進む。
気を抜いた運転はできない!
コーナーリングも張り付く感じが気持ちいい。
さすが、スポーツカー ポルシェ・タイカン。



途中の駐車スペースで妻と運転を変わった。
長年、私のクルマの運転をしているため運転は危なげないが、タイカンのパワーに、すごい! 楽しい! を連呼する始末。
気に入ってもらえたようだ。
芦ノ湖・富士山が眺められる「大観山展望台・アネスト岩田スカイラウンジ」でひと休み。
晴天ではないが、幸いにもくっきりと芦ノ湖・富士山を見ることができた。絶景だ!
ここから、芦ノ湖経由で本日の宿泊先「富士屋ホテル」へと向かう。





箱根駅伝コースを下り、宮の下交差点を過ぎ右折。
「はい、ここが本日の宿です」
「えっ! 富士屋ホテルなの……テレビで見たことあるけど、やっぱり建物がすごいわぁー。チャップリンとかジョン・レノンとか著名人がたくさん泊まってるのよね」
「敷地も広いんだ、あとで散歩しよう」
妻も日本を代表するクラシック・リゾートホテルにうれしそうだ。
スタッフが迎えてくれて、車寄せで荷物を下ろす。
ここまでの走行距離は、約135Km。
初めてのポルシェであり、EVだったが、思いのほか自分のクルマのように走れた。
このホテルには、ポルシェの充電設備が設置されており、初めての充電も体験した。






チェックインを済ませ、部屋に案内してもらう。
部屋は、昭和11年建築の花御殿ヒストリックデラックスツインタイプ。
天井も高く広々とした感じで、窓も多く圧迫感も閉鎖感もなく、ゆったりと過ごせそうだ。
ひと休みしてから、ホテルの敷地内の施設や建物を見て回った。
建物の裏には、庭園が広がり散策が可能。
箱根の湧き水が源流となっている小川や滝、水車小屋もある。
手入れの行き届いたハーブガーデン。
本当に見どころが多いホテルだ。





夕食の時間。
メインダイニングでワインを飲みながら、フルコースディナーをいただいた。
このメインダイニングの内装も歴史を感じつつも独特。
升目に高山植物636種が描かれた天井画をはじめ、柱には、三代目社長山口正造氏の顔をモチーフにした鬼の面の彫刻が飾られている。
これは、従業員を見守り、お客さまに良いサービスを提供するようにという山口正造氏のメッセージが込められているという。
前菜をはじめ、すべての料理が美味しく満足のいくものだったが、メインの肉料理は絶品!
「次は、いつ来こようか。帰りに予約していく? ほんとに、おいしいわぁー。幸せ」と妻。




夕食が終わり、スパ(温浴施設)で温泉を楽しんだ。
客層にもよるのだろうが、このホテルは館内どこにいても騒がしくなく、ゆったりした時間を過ごせる大人のリゾートホテルといった感じだ。
優雅という言葉がぴったりの空間と時間がここにはある。
部屋に戻って、タイカンの電費について考えてみた。
135Kmを走行して、93.4Kwhのバッテリーが1/3程度になった。
135Kmで約30Kwhを消費、1Kwhの電気代は、31円(※)として。
ということは、今日の走りで約930円。
充電時間は、ここは8Kwhだから、約4時間で満充電。
ガソリン車の場合は、ハイオクが今1L 180円として、あのクラスなら高速で伸びても1L 12Km。
135Km走って……2,025円。
倍以上かかることになるのか……。
燃料費で考えたら、月額半分以下で済みそうだ。
環境にもいいし、我が家のSDGsとしてもありだな。
- ※公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会 新電力料金目安単価(令和4年7月22日に改定)による

翌日、7時に起き温泉に浸かり、ゆったりとした時間の中で朝食を済ませチェックアウト。
スタッフに見送られながらホテルを後にした。
タイカンは、満充電。
乗った分だけの充電だと、短時間で満充電となり手軽で安心だ。
今日は快晴!
妻の行きたい場所をめぐる観光の日。
まずはホテルからほど近い、今年で開館55周年「彫刻の森美術館」に向かった。
約7万平方メートルの敷地に野外彫刻をはじめ、ピカソ館などの室内展示場にも作品が展示されている。




エントランスを抜け、館内案内を手に野外彫刻を見てまわった。
「あっ、あれだわ。ステンドグラスの作品! 早くいこう!」
高さ18m、内径は8mの円柱の塔が、妻のお目当ての「幸せをよぶシンフォニー彫刻」だ。
フランスのステンドグラス作家ガブリエル・ロアール氏の作品だそうだ。
内部は内壁すべてがステンドグラスになっており、圧巻。
「これは、すごいわねー。写真撮っとかなきゃ」と妻。
ここの写真が、俗にいうインスタ映えするものなのだろう。





12時を回ったところで、「彫刻の森美術館」を後にして、妻のメーンイベント「御殿場プレミアム・アウトレット」に向かった。
国道138号の峠越えとなる下りの曲がりくねった道も、2日目ともなるとタイカンの運転にも慣れ、楽しみながら運転した。
直に、「御殿場プレミアム・アウトレット」へ到着。
ここは3つのゾーンに約290もの店舗が軒を連ねる、日本最大級のアウトレットモール。
富士山を望める位置にあるらしいが、残念ながら今日は雲がかかり、霊峰富士を拝むことができないのが残念だ。

アウトレット内で昼食を取り、3つのゾーンを見て回り、妻はお気に入りのブランドのバックとブラウスを購入。
私はゴルフシューズを手に入れ、「御殿場プレミアム・アウトレット」を後にした。
今回、妻に内緒でポルシェ・タイカンの試乗のためにこの旅行を計画したが、二日間という制限はあるものの、レンタカーを利用した試乗体験は、実に有意義なものだった。
妻も「今度の買い替えは、タイカンがいいんじゃない。うちのマンションにもEV用の充電器ついているし」と乗り気になっている。
加速、居住性、運転のしやすさ。
さらに、時代のニーズを満たすEVであること。
ポルシェのEV・タイカンというクルマを日常で乗るレベルでは、ある程度理解できたと思う。
もっと、走っていたい。もっと、感じていたい。
そう思える、お気に入りの一台となった。