自分の手でエンジンをかけた瞬間“世界が変わった”
齊藤京子 meets YANASE Vol.1
運転免許を取得するという行為は、ある時代まで「大人の階段」をのぼる大きなステップでした。免許を持たない若年層が増える一方で、今も『クルマのある人生』を選ぶ人もいます。今年4月に8年在籍した日向坂46を卒業し、俳優として活動の幅を広げている齊藤京子さんはそのひとり。取りたてほやほやの免許を手にした彼女に、車の魅力を聞きました。
- 2024年10月01日
- Photos:Masaki Miyashita <hannah>
- Hair&Makeup:Mayumi Kayagi
- Styling:Evi Fujii
- Direction&Text:Dai Iwaya
車があるから行ける場所がある
「これまで、家族でドライブに出かけるときの定位置は運転席の後ろでした。運転席だけは私にとって座ってはいけない場所。だけど教習所に通って免許を取り、運転席に座ってハンドルに手をかけエンジンをかけた瞬間、『あ、世界が変わった』って。大袈裟ではなくそう思いました」
はじめて運転したときの気持ちを、そう表現してくれた齊藤京子さん。撮影の数日前に免許を取得したという彼女は、この日を迎えるまでに「もう10時間くらいは運転したかな? この前は高速に乗って千葉まで行ってみました」と、『クルマのある人生』をすでに楽しんでいる様子...。そんな彼女に、多忙な日々の合間を縫ってまで教習所へ通い、免許の取得を目指した理由を聞いてみた。
「俳優のお仕事をやっていくうえで、助手席だけではなく運転席でもお芝居ができるようになりたい、と思ったのがひとつ。それと、昔から車には漠然とした憧れがありました。海辺をドライブしたり、これからの季節なら色付いた銀杏並木の周りを走ったり。車があることで日々の選択肢が増えるような気がして、それにとても惹かれました」
そんな思いを抱えて通った教習所の講習はすべて一発でクリアし、試験も無事に合格。優等生とも言うべき齊藤さんが苦労したというのが方向転換。「すごく慎重に前後左右を確認しながら運転するのですが、どうしても難しくて。だけど縦列駐車は得意だったんですよ(笑)。かと思えば教習所を卒業してから直面した車庫入れは難しくて...。これから練習したいと思います」
なぜか目に飛び込んでくるのはベンツばかり(笑)
漠然とした『クルマへの憧れ』を象徴するブランドがメルセデスベンツだった。
「幼い頃から無意識に見た目がカッコいいなと感じていたんだと思います。それを実感したのは教習で路上にでたとき。なぜかベンツの車ばかりが目に飛び込んできたんです。私はこのブランドに魅力を感じているんだな、と」
撮影の合間に運転したこの日の撮影車両、『Mercedes-AMG GT63 4MATIC+ Coupé』はどのように映ったのだろう。
「まず色の鮮やかさに驚きました。街中を歩いていても、こんなにキレイな色の車を見る機会はなかなかないので純粋にすごく素敵だなって。スポーツタイプの車ならではのフォルムもオシャレでカッコいいですよね。それにシートに座った瞬間、『間違いなく運転しやすい』と直感できるくらいに完璧な座り心地だったのが印象に残っています」
車だからこそ、相手の好きなものにじっくり触れられる
車の中ならではの楽しみもすでに見つけている。
「小さい頃にハマっていたドラマの主題歌をBGMにしながら運転するのがすごく楽しくて。『プロポーズ大作戦』の主題歌だった桑田佳祐さんの『明日晴れるかな』がとにかく好きで、懐かしさもあり、曲を聴いていたころの自分の感情を思い出したり」
それでは友人とのドライブで聴きたい曲は? と訊ねると、「盛り上がる曲をかけたいですね。みんなで聴いてテンションがあがるような」。では、デートでは?
「キュンとするような曲を流しながら、しっとりとした雰囲気でするドライブデートには憧れます。友達でも恋人でも、相手の好きな曲をじっくり聴く機会ってあまり多くないですよね。車という空間だからこそ、じっくりお互いの好きなものに触れられると思うので、ドライブに音楽は欠かせないですね」
齊藤京子
1997年9月5日生まれ、東京都出身。2016年に「けやき坂46 メンバーオーディション」に合格しデビュー。けやき坂46より改名した日向坂46を2024年4月に卒業。以後、俳優として活動するほか、『キョコロヒー』(テレビ朝日系)にダブルMCとして出演中。