「幼い頃の家族旅行は、車で出かけることがすごく多くて。両親が運転する車に乗って、伊豆や草津の温泉にも行ったし、いろいろなところへ連れて行ってもらいました。『旅の思い出』と聞かれると、自然と車の思い出が頭に浮かんできます」

旅行を趣味にあげることもある齊藤さんに、少しだけでも旅気分を味わってもらおうと都心を少し離れた街で撮影をしながら、記憶に残っている旅について聞く。

「高速道路を降りて旅館に着くまでのワクワク感、遠くに見えていた海が徐々に近づいてくる高揚感...。そういうのって車の旅ならではですよね。家族旅行のBGMは、両親も私も大好きな昭和歌謡。よく中森明菜さんを聴きながらドライブをしました」

数ある旅の中で最も印象に残っているのは「沖縄」。日本とは思えない南国特有の景色に透明度の高い海...。すべてが新鮮で、車窓から眺めた景色が心に刻まれた。

飛行機でも電車でも旅はできる。だけど“クルマでの旅”にしかない魅力を、齊藤さんがこんな言葉で表現してくれた。

「車はたいていの道に入っていけますよね。歩きだと少し遠いところ、行きにくいところでも車なら簡単にアクセスできる。自然と寄り道も多くなる気がします。まだ私は都内での運転がほとんどですが、それでも“こんな道があったんだ、このお店気になる”というように、新しい発見が毎回あって、運転のしがいがあるなと感じるんです。運転席からの視点だから見える街の姿というものがあって、それは旅先でも同じことが言えると思います」

「余談ですが」と前置きをして続ける。「今日乗らせていただいた『Mercedes-AMG GT63 4MATIC+ Coupé』は左ハンドルだったのですが、それもはじめての経験でした。それだけでも風景の見え方は大きく異なるし、普段乗っている車とはすべてが違う。まだ駐車時のバックに慣れていないのですが、モニターでのサポートも含めて安心して運転ができるし、車内のどこを見てもラグジュアリー。本当に贅沢な時間を過ごせてうれしかったです」

4月には8年間在籍した日向坂46を卒業し、9月に27歳を迎えた。一歩ずつ新たなステージに進もうとしているいま、決意していることがある。

「教習所に通い始めたときに車を買おうと決めたのですが、それが今日の撮影を通して“絶対に買おう”に変わりました（笑）。勢いあまって『見積もりを取ってみようか...』と思ってしまったほど。これまで、胸を張って趣味と言えるものが『かき氷を食べる』ことくらいしかなくて...。かき氷のためなら電車を乗り継いで遠くまで遠征もしてきたのですが、免許も取ることができたのでこれからはドライブとかき氷を同時に楽しめる。その瞬間が訪れるのが待ち遠しいです」

免許を取り立ての今は、家族を乗せて都内を走らせることが多いというが、もう少し運転に慣れたら「窓を開け放ったまま海岸沿いを走らせて気持ちのいい風を感じたい」と話す。「都内はどうしても交通量が多いので気が休まらないけれど、少し田舎に行けばグッと車の量も減りますよね。少しリラックスして、運転の気持ちよさを体験してみたいです」

1997年9月5日生まれ、東京都出身。2016年に「けやき坂46 メンバーオーディション」に合格しデビュー。けやき坂46より改名した日向坂46を2024年4月に卒業。以後、俳優として活動するほか『キョコロヒー』（テレビ朝日系）にダブルMCとして出演中。