プライベート空間でもある車は
私にとって“動くお部屋”
福本莉子 meets YANASE Vol.1
Z世代やミレニアル世代のカーライフにフォーカスするYANASE Original Contents。今回登場するのは、2000年生まれの俳優・福本莉子さん。デビュー以来、数多くの作品に出演し、2月14日には映画「劇場版『トリリオンゲーム』」が公開。車移動中は、インプットやフィードバックの時間にもなる、と話す福本さんの車中での過ごし方や、俳優としての原動力について聞きました。
- 2025年01月31日
- Photos:Masaki Miyashita <hannah>
- Video:Yusuke Kaji
- Hair&Makeup:Yoko Fuseya(ESPER)
- Styling:Kazuaki Kugimiya
- Direction:Dai Iwaya
- Text:Yuka Sakamoto

物心ついて最初に覚えたマークは
メルセデス・ベンツのエンブレム
「劇場版『トリリオンゲーム』」を筆頭に、夏にかけて4作品の映画公開が控えている福本莉子さん。撮影期間中は移動手段や待機場所として車は常に身近にある。

「ロケ先で控室がない場合は、車を待機場所にしています。プライベートな空間に身を置けるのでセリフを覚えたり、音楽を聴いたり、もぐもぐしたり(笑)。私にとって車は“動くお部屋”。後部座席は考え事もしやすいから、移動中はその日の振り返りの時間にもしています」
特に映画は撮影期間から公開まで、時間が空くことがほとんど。並行して別の作品の撮影に入っている場合もある。
「帰り道に撮影中のエピソードや、演じていて生まれた感情などを振り返ってメモするのがルーティンのひとつ。この振り返りが次のアウトプットに生かされることもありますし、取材時にはメモを見返して、インタビューに答えることも多いです」
今回の撮影車両であるMercedes-AMG SL 43は、オープンドライビングも楽しめるモデル。自動的にルーフが開閉する様子を「カッコいい!」と眺めていた福本さん。メルセデス・ベンツに抱くイメージを聞くと、幼少期の記憶とともにユニークなエピソードを教えてくれた。
「メルセデス・ベンツは幅広い世代に愛されているイメージがあります。そして、私が物心ついてから1番最初に覚えたマークは、メルセデス・ベンツのエンブレムでした。子どもの頃、家族でのドライブ中、道ゆく車の車種あてゲームをよくしていました。メルセデスのエンブレムは子どもながらに印象的で、正解率が高かったです(笑)」

現在24歳。大阪で生まれ、小さい頃は島根にある祖父母の家に車で訪れることが福本家のお決まりの旅行コースだった。
「夜中に出発して、朝到着するスケジュールで父が運転してくれました。姉と私は後部座席で寝ていましたが、途中で鳥取の境港に寄ったり、水木しげるロードで食べ歩きをしたり、出雲大社でお参りをしたり…。父は大変だったと思いますが、楽しい思い出ばかり。姉も私も車の免許を取得した今は、父を含めた3人でローテーションしながら運転しています。父は一緒に運転できることが嬉しそうで、車を通じて親孝行ができたかな、と思っています」
見た目のカッコよさに加えて、
乗る人に優しいインテリアにも感動
撮影中は、運転席にも助手席にも座り、乗り心地を堪能していた福本さん。主に旅先でレンタカーを運転することが多い彼女にとって、Mercedes-AMG SL 43はどう映ったのだろう。

「まず、深みのある赤がシックで、カッコいい佇まいに惹かれました。シートはすべてしなやかな革張りで快適な座り心地。しかも、ヒーターとマッサージ機能まで付いていて驚きました! 寒い時期のオープンドライブも楽しめますよね。まさにマッサージチェアに座っているような感覚で、今の時代の車は乗っている人に優しいんだな、と実感しました」
中でも驚いていたのが、シートの首元から温風が出る、エア・スカーフ機能。「もし自分の車を持つならば機能性と安全性は譲れない」と話す。
「見た目のカッコよさはもちろん、一緒に乗る家族や友人も心地よくいられるインテリアも重視したい。今も家族4人で旅行することがあるので、荷物がたくさん積めるという条件も大切です」

とはいえ作品への出演が立て続く今は、運転席よりも後部座席で過ごす時間がメイン。車移動が長時間に及ぶ日のマストアイテムは?
「ネックピローとノイズキャンセリングのイヤホン、オットマンが必須です。オットマンは空気で膨らむタイプで、靴を脱いで脚を伸ばしたいときに使っています。どうすれば車内がおうちのようにリラックスできる空間になるか、日々考えています(笑)」
評価よりも自分の感覚を信じて
俳優として成長していきたい
「バレンタインデート」をテーマに撮影した今回。バレンタイン当日の2月14日には、「劇場版『トリリオンゲーム』」が公開予定。ドラマ版に続き、高橋凜々を演じる。

「劇場版は、日本初のカジノがテーマ。ワールドワイドな世界観で、すべてがスケールアップしています。新たな敵も出てきますし、目黒蓮さんのアクションシーンもカッコよくて必見。ドラマでは佐野勇斗さん演じるガクとリンリンがデートに行く約束をして終わりましたが、その後、デートを重ねてどんなふうに進展していくのか。そこも映画の見どころです」
2016年に第8回「東宝シンデレラ」オーディションでグランプリに輝き、芸能界デビュー。ドラマ、映画への出演が絶えず、2023年には、第46回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。着実にキャリアを積み上げる原動力を尋ねてみた。
「些細なことですが、お買い物に行った際に店員さんに『ドラマ見ました』と言っていただいたり、映画を観た友人から『今まで見たことがない莉子が見られた』と感想をもらったり。ファンのみなさんや家族、友人など、支えてくれる方からの言葉や反応の積み重ねが原動力に繋がります。一方で、賞をいただいたり、周りから褒めてもらっても、なかなか自信が持てない自分もいます。『すごくよかったよ!』という言葉に、素直に『ありがとうございます!』と言えたらいいのですが、今はまだ“もうちょっとできたのではないか”と考えてしまいがちで…。キャリアを重ねて役と自分が同期する感覚をようやく掴めてきたので、その感覚をさらに得るためにコツコツ頑張るしかないのかな、と。周りの評価よりも自分の感覚を信じて、俳優として成長していきたいです」

福本莉子
2000年、大阪府出身。2016年、第8回「東宝シンデレラ」オーディションにて、グランプリ、集英社賞を受賞。2017年4月よりNHK Eテレ『NHK高校講座「物理基礎」』にレギュラー出演し、本格的に芸能活動をスタート。2020年公開の映画『思い、思われ、ふり、ふられ』で映画初主演を果たす。2023年、主演を務めた映画『今夜、世界からこの恋が消えても』で、第46回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。待機作に、映画「劇場版『トリリオンゲーム』」(2月14日公開)、映画『お嬢と番犬くん』(3月14日公開)、映画『#真相をお話しします』(4月25日公開)、映画『隣のステラ』(2025年夏公開)がある。