車の中は、大好きなサウナと同じで
お互いを深く知れる場所

綱 啓永 meets YANASE Vol.1

2018年のデビュー以来、ドラマや映画への出演が絶えず、次世代を担う俳優として注目を集める綱 啓永さん。普段の移動はほとんど車。「車が身近になって、人生が変わりました」と話します。今回は、Porsche Macan Electricを間近で見て、触れた感想から、お気に入りのドライブコースや車に乗る日のマストアイテムまで、綱さんのカーライフを深掘り。俳優仲間であり親友の樋口幸平さんとの車旅エピソードも教えてくれました。

  • 2025年08月01日
  • Photos:Masaki Miyashita <hannah>
  • Video:Yusuke Kaji
  • Hair & Makeup:Yudai Makino
  • Styling:Kazuaki Kugimiya
  • Text:Yuka Sakamoto
  • Direction:Dai Iwaya
  • ヤナセ 公式Instagram
  • YANASE Official YouTube
Keito Tsuna meets YANASE

グレイッシュなパープルが
唯一無二でカッコいい

Porsche Macan Electricがスタジオに入る様子を、「カッコいいですね」と眺めていた綱 啓永さん。スタジオの真っ白な空間に停車した車を眺めながら、エンブレムやテールエンドを間近でじっくりとチェック。ライフスタイルに車が欠かせないという綱さんにどう映ったのか。尋ねてみると「ポルシェがカッコいいのは当たり前ですが」と前置きしたうえで感想を話してくれた。

「まずグレイッシュなパープルのカラーリングが好きでした。あまり目にしないカラーですし、珍しさはあるのに突飛な印象もなく、重厚感がある。フロントシートの座り心地はフィット感が抜群で快適。僕自身、車種によってはしっくりこないシートもあるのですが、マカンの運転席は長時間運転しても疲れにくいだろうな、と感じました」

運転免許を取得したのは19歳の頃。以来、仕事現場へ向けてハンドルを握ることも増えた。

「免許取得までは1年かかって、期限ギリギリながらも一発合格でした(笑)。運転は得意だと思います。現場にも運転して行きますし、実家に帰るのも車が定番。千葉の実家までの道のりは、お気に入りのドライブコースです。都内に土地勘がないので、基本的にマップがないと目的地に辿り着けないのですが、実家だけはマップなしで行ける。その安心感があるし、実家に帰るワクワク感もあって好きなコースです」

仕事柄、移動車やロケバスの後部座席で過ごす時間も多い。車での移動が長時間になる日のマストアイテムは?

「自分が運転しないときはイヤホンがマスト。運転するなら水とお菓子です。普段はお菓子を食べませんが、運転するときだけはお菓子があった方が楽しい。甘い系としょっぱい系、どちらも準備します」

情報が限られる空間だからこそ、
自分と向き合う時間にもなる

数多くの話題作に出演し待機作も控えるなか、11月には舞台も上演。ノンストップで走り続ける日々のリフレッシュにも車は欠かせない。

「つい先日は、親友の樋口幸平とちょっとした車旅をしました。僕が地方で撮影をしていて、午前中で仕事が終わる日、ちょうど幸平もオフだったようで現地まで来てくれて。レンタカーを借りて、観光スポットを巡ったり有名なサウナに行ったり。車があるとフットワーク軽く動けて、気分転換にもなっていいなと改めて思いましたね」

「そのときは、幸平が運転してくれました」と話す綱さんに、運転席と助手席はどちらが好きか聞いてみる。

「運転席が好きですが、遠出するなら助手席がいいです(笑)。運転しない代わりに、マップを見て道案内をするし、車内を盛り上げます。自分が運転するときは、いろいろなところに神経を使うせいか口数が減るので、喋ってくれる友達が助手席にいると助かるんです。でも友達4人で遠出するとしたら、率先して後部座席に乗りますね。やっぱり助手席で寝るわけにはいかないので(笑)」

ひとりよりも仲間といる時間の方が好きで、ひとり行動はあまりしない。現場や実家に向かう車移動は、貴重な自分と向き合う時間になっている。

「運転中のBGMはそのときにハマっている音楽を流します。今だったら、マルシィさん。僕、歌詞の表現が遠回りな曲は刺さらないことが多いのですが、マルシィさんの歌詞はストレートで心に響くところが好きで最近特に聴いてます。車の中だと家族やこの先の将来について考えることもあって、普段とは少し違う思考になる。情報が限られている空間だからこそ、より自分と向き合えるのかもしれません」

一拍置いて、「車とサウナって似てるんですよね」と続けた綱さん。

「車で友人とふたりになると、それぞれの秘密とか、前から思っていたけど言えずにいたことを打ち明けられる空気感がありますよね。サウナと似て、お互いを深く知れる場所でもあると思います」

憧れるのは、誰かのために
動ける優しさを持った人

昨年26歳を迎え、20代も後半に突入。年齢とともにキャリアも重ねる中で、仕事への向き合い方に変化も生まれている。

「変化はあります。振り返ると、今までは『とにかく売れたい』みたいに自分のことしか考えていなかった。もちろん今もその想いはありますが、『この作品をよりよくするにはどうしたらいいのか』も考えられるようになり、視野が広がったと感じています」

心境が変わったきっかけは、初の単独主演を務めたドラマ『恋愛のすゝめ』だった。

「初めての座長であり、独特のプレッシャーや不安を経験したことで仕事への向き合い方がすごく変わりました。プレッシャーに対しては、気合いで乗り越えるタイプなので、『人間やればできる!』と自分を鼓舞しながら、周りのサポートも借りて乗り越えています。毎回、入念に準備して撮影に臨みますが、結局現場に行くと準備したものを使うことってほとんどないんです。現場でしか生まれないものがあるので、とにかく頭を柔らかく、臨機応変に対応するスタンスは常に意識しています」

経験を重ねてネクストステージへ向かっている綱さん。今思い描く、ポルシェが似合う理想の人間像とは――?

「優しい人、ではないでしょうか。誰しも優しい部分を持っていると思いますが、誰かのために動ける人が、本当の意味で優しい人だと思っています。『役に立ちたい』と思うだけではなくて、行動で示せて、誰かを支えられる人が理想の人間像です」

綱 啓永

1998年、千葉県出身。2017年、第30回「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」グランプリを受賞。2018年にドラマデビュー。2023年には、TBS『恋愛のすゝめ』で初の連ドラ単独主演を果たす。近年の主な出演作は、フジテレビ『366日』、NHK『未来の私にブッかまされる!?』、映画『女神降臨 Before/After』、『ネムルバカ』、『#真相をお話しします』。待機作に、『WIND BREAKER』(2025年12月公開予定)がある。11月に新宿・紀伊國屋ホールで上演される舞台『Too Young』にも出演。

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