INTERVIEW 高野 明さん(メルセデスオーナー)
刺激から安らぎへ。メルセデス・ベンツ EQSで味わう至極の時間
経営者として長年ビジネスの世界で戦ってきた高野さんの愛車はメルセデス・ベンツ EQSの限定モデル。現役時代はクルマに刺激を求めていたが、引退後は自然に安らぎを求めるようになった。仕立てのいいインテリアや上質な走りは、今の高野さんの感性にピッタリとはまるものだった。
- 2024年08月08日
- 文:高橋 満
- 写真:尾形和美






「限定車ですよ」
セールスの一言が決め手に
日本では30台限定で発売されたメルセデス・ベンツ EQS 450+ Edition1。オーナーの高野さんは昨年、コロナ禍が明けて久しぶりに開催された展示会に足を運び、そこでスポットライトを浴びていたこのクルマに一目惚れして購入を決意した。
それまで乗っていたのはメルセデスAMG GT 63 4MATIC+。デザインも走りの性格もEQSとはまったく違うスポーツモデルだ。刺激的な走りはクルマ好きの高野さんを魅了した。しかし少し困ったこともあったという。
「エンジンをかけた時のブオオオンと吹き上がる音。そしてアクセルを踏み込んだ時のおなかに響くサウンドと加速感。どれも官能的で気に入っていたのですが、妻からは『うるさい!』と怒られていました。私の趣味はゴルフで、いつも早朝5時30分前後に家を出ます。その時間に毎回大きな音を出すので『近所迷惑を考えなさい!』と……」
高野さんの年齢は73歳。AMG GTは気に入っているが、奥様の言う通りもう少し落ち着いたクルマにしたほうがいいのかもしれない。そう考えていた矢先、EQSに出合った。高野さんが気に入ったのはオブシディアンブラックとハイテックシルバーという気品を感じるツートーンカラーだった。
「メルセデス・マイバッハGLSを初めて見た時、素敵なクルマだと感じました。EQSのツートーンがそのイメージと繋がり、一目で気に入りました。そして近くにいた担当セールスの渡邉さんが一言、『限定車ですよ』と言う。男は何歳になっても“限定”という言葉に弱いものです。その時点で乗り換えを決めました(笑)」



往復500km+αの旅も
無充電で楽しめる
EQSに乗り、高野さんはEVシリーズのフラッグシップモデルならではの上質さに驚いた。大胆かつ繊細なエクステリアデザイン、インテリアの仕立ての良さ、アクセルやブレーキの自然なフィーリング。どれも高野さんがこれまでに体験したことがないものだ。中でも驚いたのは、AIRMATICサスペンションだという。
「乗り心地が柔らかくしなやか。でも車体が揺れて気分が悪くなるようなものではなく、路面の段差や継ぎ目を自然にいなしてくれる。もちろん早朝の出発でもご近所に不快な思いをさせることがないので、妻も安心しています」
高野さんは趣味のゴルフはもちろん、コシヒカリが有名な新潟県津南町近くの実家に帰るときもEQSを走らせる。片道250kmほど走行し、2日間ほど地元を走り、再び東京に戻ってくる。この旅路でも充電の心配がいらないほどバッテリーには余裕がある。
「若い頃は東京~大阪間をクルマで移動することもありましたが、さすがにこの年齢になるとそれだけの距離を一気に走る気にはなりません。最近はさまざまな場所に充電スポットができて便利になったと聞きますが、私のカーライフだと外出先でEQSの充電の心配をするシチュエーションはまずなさそうです」
高野さんはEQS以外に、街乗り用のスマート ブラバスも所有している。だが、最近は滅多に出番がないそうだ。
「EQSは全長が5225mm、全幅が1925mmとかなり大きなクルマですが、小回りが利くので街なかでも不便を感じません。だからついつい乗り心地のいいEQSで出かけてしまうんです」



ようやく自分が
探し求めていたものに出合えた
これは後から感じていることだが、高野さんが今回EQSを選んだのは、自分の環境の変化も大きかったと言う。大学を卒業後、外資系のIT企業に就職。そして、ベンチャー企業を立ち上げた。その後は赤字状態だった企業を買い取り、4年かけて黒字化。10年後には上場させた。高野さんの人生は、経営者としてビジネスの世界で戦いの連続だった。上場後は社長から会長、相談役になり、2023年12月に引退。次の世代に道を譲った。
インタビューでは高野さんがこれまで乗ってきたクルマも伺った。現役時代は国産車・輸入車を問わず、走らせて楽しいスポーティなモデルを選んでいた。
「経営者として長く仕事をしていると、順風満帆な時だけではありません。金策に走ったりするなど、生きた心地がしない時も何度もありました。でもそんな姿を社員たちには見せられない。だからこそアグレッシブなクルマでストレスを解消していたのでしょう。レスポンスのいい走りはもちろん、エンジン音、デザイン、色……。すべてに刺激を求めていました」
現在の愛車であるEQSに感じるのは、安らぎ。シートに座るだけで気分が落ち着くし、車内をさまざまなカラーで演出するアンビエントライトも気に入っている。
「クルマが持つとがった部分は気持ちよさに繋がります。官能的なAMG GT 63 4MATIC+のV8エンジンはその極みだと感じました。でも今、自分が置かれている環境が変わったことで、これまでとはまったく違うものを心地よく思える。人生は本当に面白いですね。大げさではなく、ようやく自分が探し求めていたものに出合えたと感じています」


顧客にさりげなく寄り添う。
その距離感が心地いい
高野さんとヤナセの関係は、メルセデスAMG GT 63 4MATIC+を購入した2021年にスタート。セールスの寺岡が担当していたお客様から高野さんを紹介されたが、「営業に厳しい人だけれど君に務まるかな」と言われたそうだ。セールスとしてさぞ緊張しただろう。
「彼はいつも大げさに言うから(笑)。私は、ヤナセに対してとてもいい印象を持っていました。『クルマはつくらない。クルマのある人生をつくっている。』というYANASEのスローガンがとても好きなんです。そしてYANASEの方々とお話すると、みなさんがそのスローガン通りにさりげなく寄り添ってくれるので、とても心地いい付き合いができています」
EQSの購入を決めた時も、もしセールスの渡邉が展示会の場で熱心にクルマを説明して「いかがですか?」と聞いてきたら買うという判断はしなかったかもしれないと笑う。高野さんがどんなことに興味があって、これから人生がどう変わっていくのか。顧客をよく見ているからこそ一人ひとりに合わせて適切な距離感をとれるのだろう。長年ビジネスの世界で戦ってきた高野さんはYANASEのセールスをこのように評価した。
「私はYANASEのPRも好きなんです。中でもオーナー向けコンテンツ『YANASE X FIELD』に目を通すのが楽しみで。雪椿(新潟県魚沼産のコシヒカリの最高級ブランド)を取り上げてくれた時は本当に嬉しかったですよ。ビジネスの世界を引退してEQSに乗るようになってから、YANASEのスローガンやカルチャー、そしてクルマ自身も、すべてが自分の中に心地よく染み込んでくる感じを味わっています。現役の頃とはまったく違う形で、充実した日々を過ごせているのが本当に楽しいですね」


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